【←前頁】【↑目次】【次頁→】
コンパイル
LaTeXプログラム自体の使い方は、一般的なマックやウィンドウズのアプリとは少々勝手が異なりますが、比較的簡単です。やることはコンパイルして印刷するだけですから、文書をLaTeXプログラムで何度か開くだけで作業はほぼ終わりです。マック、ウィンドウズならソースファイルをLaTeXのアイコンの上にドラッグ&ドロップ、UNIXならそのファイルがあるディレクトリに移動し「latex ファイル名.tex」とコマンドラインで打つだけ。あとはLaTeXが勝手にコンパイルし、ファイルを生成して(途中でエラーがなければ)終了します。使用時間は正味数秒とかかりません。
なぜかくも簡単なのかといえば、メインは(次頁で説明する)LaTeXの文法に則ってソース文書を書くことだからです。で、まあとにかく、このページではアプリ単位で具体的にどういう手順を経てLaTeX文書が作成されるかについて説明します(ソースファイルが既にあることを前提に)。まずコンパイルから:
テキストエディタを使って、LaTeX文法に則りソース文書を書く。これに適当な名前と「….tex」の拡張子を付け(注:「….txt」ではない)、プレーンテキストとして保存する。
ソース文書「….tex」をLaTeX(LaTeX用コンパイラー)で開き、コンパイルする。WinやMac ClassicならソースファイルをLaTeXアイコンにドラッグ&ドロップするだけ。UnixやMac OS XならターミナルでまずそのファイルがあるディレクトリまでCDで行き「platex ….tex」と打ちリターン(そのファイルがあるディレクトリからLaTeXを起動しないとlog fileなどが今いるディレクトリに生成されてしまう)。コンパイルの過程が表示されていくのを見ながら待って、
結果、「….dvi」「….aux」「….log」の3ファイルが生成されるのを確認する。
- 「….dvi」が、ソースをコンパイルしてできた、メインのバイナリーファイル。
- 「….aux」は、目次や参考文献等を後に作成する際に使うデーターを本文から抜き取ったもの(auxは「auxiiliary」の略。つまり補助ファイル)。
- 「….log」はソース文書をコンパイルした際のログを記録したファイルで、エラー(コマンドが誤って入力されている等)などがあればここに記録されている。ソース文書の修正は、後でこのログファイルを見ながらテキストエディタで開いて行う。
コンパイルしたLaTeX文書を「dviファイル」と呼びます。「dvi」はDevice Indenpendent」の略で、文字通りどのOS上で開いても同じく文書をモニターまたはプリンターに出力します。Xdviは殆どのOS用にフリーで配布されているので、pdf/Adobe Acrobatと同じ感じで文書をネット上で直接配布するのにも適しています(ワード文書などはOSが変わるとレイアウトが滅茶苦茶に崩れてしまうことが暫し)。
ソース文書にエラーがあると、LaTeXはコンパイル途中で一時停止する場合があります。そうなったらリターンキーを押して強制続行するなり、画面上に出る支持に従って終了してください(自分で中途終了させても構いませんが、その場合はログファイル他が生成されません)。
なお目次、参考文献ページを生成するには、最低2度コンパイルを行う必要があります(後述)。
印刷、プリビュー
上の作業で出来た「….dvi」ファイルをxdvi(LaTeX用プリビューアー;Winなら dviout等; Mac OS XならMxdvi)で開くと、パソコン画面上で出来上がりのプリビューが見れます(注意:Mac版xdviではEPS画像ファイルを表示・印刷することができない。EPS画像を含む DVI ファイルを表示・印刷するには下のdvipskを用いて直接PostScriptプリンタへ印刷するか、PSファイルに変換して更にAcrobatでPDFファイルに変換するなどしなければならない)。
紙に印刷するには、DviXからそのまま「プリント/印刷」を選ぶか、dvipsk(LaTeX用プリンタードライバー;Winならdviprt等)に「….dvi」をドラッグすると、プリンターで印刷できます。また、dvipskではプリンターに出力するかわりに、そのPostScriptファイルを生成することもできます:
なお、手持ちのプリンターがPostScript対応(基本的にレーザープリンター;インクジェットはX)でないと、dvipskから直接印刷ができませんの。その場合は、PDFに変換しAcrobatから印刷するか、PostScriptに変換してGhostscript(後述)から印刷する必要があります。
「はじめに」では、WYSIWYGワープロが単体で行うことを、LaTeXを使う場合(1)テキストエディタでの文書作成と(2)LaTeXでの文書整形・出力の2プロセスにわかれると書きましたが、文書整形・出力の方は、現実には更に分業されているというわけです。(2A)文書整形、コンパイルをLaTeXが行い、(2B)画面出力はDviX、(2C)プリンター出力はdvipskが担当します。ただ、これら3アプリは普通LaTeXセットとして一緒に配布されていますが。
【←前頁】【↑目次】【次頁→】