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インストール

小目次
  1. Mac OS Classic (9.2.2まで)
  2. Mac OS X

lionheadMac OS Classic版

MacpTex MacpTeX のインストール方法について簡潔に解説します。他のOSではインストール方法が少々違っていると思いますが、最終的に入るファイルの種類やLaTeXの入るディレクトリー構造は同じですので、参考にはなるかと思います(Win版TeXインストールに関してはこちらのサイトなどが詳しいです)。

まず ftp://macptex.appi.keio.ac.jp/pub/mac/ にある最新版の「ptex[バージョン番号]bin[日付].sit.hqx」と「ptex21[バージョン番号]lib[日付].sit.hqx」をダウンロードしてきて展開します。解凍の際には、StuffIt ExpanderのPreferencesで「cross platform」の項をneverにしておく必要があります。展開すると200MB近くになりますので、HDのスペースは十分に開けておいてください。

2002年2月現在はptex2111bin20010613.sit.hqx(2.4 MB)とptex2111lib20010524.sit.hqx(53.3 MB)が最新版ですので、これらをダウンロード後展開します:



ptex2111bin20010613.sit.hqx


ptex2111lib20010524.sit.hqx


ptex2111bin20010613.sit.hqxの方には色々なLaTeX文書作成のためのアプリ(バイナリー)が入っていて、ptex2111lib20010524.sit.hqxの方には細かなライブラリファイル(texmfフォルダの中身)が大量に入っています。ptex2111lib20010524.sit.hqxを展開した第1階層に(なぜかダブって)入っているMakeTeXls-R MakeTeXls-Rは、すぐ下にあるtexmfフォルダ内に入っている同じモノを使うので削除して構いません(1つあれば十分です)。

次に、Tex用フォルダを新規に1つ用意して適当な名前を付け(下の画像では「tex」としています)、これら2つのフォルダの中身をぶち込みます。そして、texmfフォルダに入っているMakeTeXls-Rのエイリアスを作って、これをTex用フォルダの第1階層に置いておきます(注:texmfフォルダの中からMakeTeXls-R本体を動かしてはなりません)。



MakeTeXls-R MakeTeXls-Rは、LaTeX関連ファイルが入っているtexmfフォルダ内部のツリー構造をls-Rファイル(texmf第1階層に生成される)に記録して管理するアプリです。LaTeXプログラムがデータファイルを探すときにはls-Rファイルを参照するので、texmf内に新たなファイルをインストールするたびにMakeTeXls-Rを起動してアップデートしてやる必要があります。今回も全てを新たにインストールしたばかりですから、MakeTeXls-Rを一度走らせます。そういうわけで、普通のMacのファイルと同じ調子でtexmf内のファイルを無闇に動かしてはいけません。中身を変更したら必ずMakeTeXls-Rを走らせてください。MakeTeXls-Rはtexmfフォルダ内においておかないといけないので、使いやすいようにTeXフォルダの第1階層にもそのエイリアスを作ったわけです。

次に、プリビューワーであるxdvixdviの最新のものをftp://macptex.appi.keio.ac.jp/pub/mac/previewer/からダウンロードしてきます(2002年2月現在ではxdvi20010604.sit.hqx)。展開したら上のtex用フォルダの第一階層に一緒に入れます。xdviもls-Rを参照してtexmfフォルダ内のデータを使用するので、他所に置くわけにはいきません。

xdviは atmAdobe Type ManagerとType 1のComputer Modernフォントcmps-macintosh.hqx)を使用するので、これらもダウンロードしてきて入れます。Adobe Type Managerはインストーラーを使って普通に入れられます(コントロールパネル・フォルダに入るはずです)。

Computer Modernフォントは、まず「CM/PS + LaTeX PostScript Fonts」フォルダ内にある type1 Type 1フォントを全てシステムフォルダのフォントフォルダに入れます。青いラベルの2つのスーツケースフォント もシステムフォルダのフォントフォルダに入れます。

cm


以上でMac版LaTeXとxdviのインストールは完了です。




lionheadMac OS X版

pTeX package pTeX packages のインストールは、もしかしたらClassicより簡単かもしれません。ただ、Mac OS XがBSDベースのOSであるためか、LaTeXもまんまUNIXで使われているものと変わりません。基本的に操作はファインダーではなくターミナル 上で行い、インストールされるファイルも全てファインダーからは見えない/usr/local以下に入ります。使用方法自体もシンプルなのですが、やはり基本的なターミナルコマンドは知っていないと少し辛い部分が出てくるかも知れません。ターミナルコマンドに関してはここなどの解説サイトを参照して下さい。ファインダーの基本動作に相当するコマンドを理解していれば事足ります(cd ディレクトリ/フォルダー間の移動; ls ディレクトリ内のファイルのリスト表示;mv ファイルの移動;cp ファイルのコピー;rm ファイルの削除;mkdir ディレクトリの作成;rmdir ディレクトリの削除;「アプリ名 ファイル名」でそのファイルをそのアプりで開く等)。ただ、ミミカキエディットを使えば、いろいろ設定することでコンパイルからプレビュー、bibtex、pdf化まで全てターミナルを直接触れずにミミカキエディットから行うことができます。

で、まず最初は、ダウンロードしてきたディスクイメージ に入っているパッケージインストーラー をダブルクリックして、普通のアプリ同様に自動インストールします。

インストーラーが完了したら、ターミナル(Applications/Utilitiesに入っています)を開いて、mktexlsrを動かします。mktexlsrは上のMakeTeXls-R MakeTeXls-Rと同じ、LaTeX関連ファイルが入っているtexmfフォルダ内部のツリー構造をls-Rファイル(texmf第1階層に生成される)に記録して管理するアプリです。LaTeXプログラムがデータファイルを探すときにはls-Rファイルを参照するので、texmf内に新たなファイルをインストールするたびにmktexlsrを起動してアップデートしてやる必要があります。今回も全てを新たにインストールしたばかりですから、mktexlsrを一度走らせます。

mktexlsrを起動するには、普通は「mktexlsr」と入力してリターンを押せば良いだけなのですが、Mac OS X 10.2の場合、デフォルトでは/usr/local/binにパスが通ってないので、「/usr/local/bin/mktexlsr」と打つ必要があります。デフォルトで/usr/local/binにパスが通るようにするには、ホームディレクトリに「.tcshrc」という名のテキスト・ファイル(OS Xターミナルのデフォルトシェルであるtcschの初期設定ファイルです)を作成し、そこに「set path=( $path /usr/local/bin )」と書いて保存し、そのターミナルを一度終了、再起動させます。そうすれば、以降は「mktexlsr」だけで起動するはずです。ターミナル上で簡単なテキスト編集を行うにはpicoが便利です。picoで.tcshrcを開くには(あるいは新規に「.tcshrc」という名前の新規文書を作成するには)「pico .tcshrc」と打ちます。終了、保存する時はコントロールキーとxを押します。

次に、OSの方でも実行ファイルのリストを更新ために、rehashを行います。「rehash path」と打ってリターンキーを押して下さい。これで準備は全て完了です。試しにディスクイメージに入っているexample.texを適当な場所にコピーし、LaTeXでコンパイルしてみてください。コンパイルするには、まずそのファイルが入っているディレクトリー(/フォルダー)までターミナルで移動し、「platex example.tex」と打つだけです(見た通りアプリ「platex」でファイル「example.tex」という意味です)。ディレクトリーへの移動には、そのディレクトリーをターミナルにドラッグ&ドロップするとパスがコピーされるので便利です(「cd」と打って半角スペースの後、フォルダーをドラッグ&ドロップ後、リターン)。そうして:

[*-***-***-**:~/test] yourname% platex example.txt
This is pTeX, Version p3.0.1, based on TeX, Version 3.14159 (EUC) (Web2C 7.3.7)
(./example.tex
pLaTeX2e <2001/09/04>+0 (based on LaTeX2e <2001/06/01> patch level 0)
(/usr/local/share/texmf/ptex/platex/base/jarticle.cls
Document Class: jarticle 2001/10/04 v1.3 Standard pLaTeX class
(/usr/local/share/texmf/ptex/platex/base/jsize10.clo)) (./example.aux) [1]
[2] (./example.aux) )
Output written on example.dvi (2 pages, 7272 bytes).
Transcript written on example.log.
[*-***-***-**:~/test] yourname%


とターミナル上に表示され、example.txtのあるディレクトリー(/フォルダー)にexample.log、example.aux、example.dviの3ファイルが生成されていれば成功です。続いて「dvipdfm example.dvi」と打ち:

example.dvi > example.pdf
[1][2]
14820 bytes written


などと表示されれば、TeX(dvi)文書をPDF文書に変換するアプリであるdvipdfmもうまくインストールされたことになります。他にもbibtex他いろいろなユーティリティが~/usr/local/binに入っているので、試してみると良いでしょう。

サードパーティ製のスタイルファイルの追加は(1)「sudo mkdir /usr/local/share/texmf/ptex/platex/mystyle」(スタイルファイルを入れるディレクトリー「mystyle」を作成);(2)「sudo cp mystyle_1.sty /usr/local/share/texmf/ptex/platex/mystyle/」(スタイルファイル「mystyle_1.sty」を「mystyle」内へコピー);(3)「/usr/local/bin/mktexlsr」といった手順で行います。

上述したように、OS XでLaTeXを使うには基本的にターミナルでコマンドを打たねばなりません。emacs等ターミナル上のエディタで文書を作成している分にはそれで良いかも知れませんが、普通のMac用テキストエディタを使っている場合には少々不便です。その点、ミミカキエディットだとLaTeX操作用ツールが出ているので、これを導入すると便利です。コンパイルからPDF変換まで、すべてミミカキエディットのメニューやツールボタンから行うことができます。



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