今日、そういった用途に最も広く使われているのは、Adobe社製のAcrobatでしょう。Acrobatで作成されるPDF(Portable Document Format)文書は汎用性の高いフォーマットで、PDF文書作成時に使用したアプリケーションやプラットフォームに関わりなく、あらゆる環境において同じレイアウトの出力を可能にします。ただ難点は、PDF文書を閲覧するためのビューアーは無料配布されているのですが、PDF文書を作成するための正規のAcrobatアプリケーションはたいへん高価であるということです。しかし、後述するGhostscriptなどを利用すれば、お金をかけずにLaTeX文書をPDF化することも可能です。また、UNIXやMac OS Xでは、サードパーティー製のフリーのDvi→PDF変換ユーテリティが幾つか出ているようです。
昨今は(まったく嘆かわしいことに)ワード文書がメールに添付されてそのまま配布されてくることもしばしです。一応LaTeX文書をワード形式に変換するソフトも幾つかありますが、直接DOC文書に変換するよりは、ワード以外の様々なワープロソフトで読み込める、より汎用性の高いRTF(Rich Text Format)形式に変換する方が良いでしょう。