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他形式への変換

小目次
  1. PDFへの変換
  2. RTFへの変換
  3. XLSからの変換
  4. CSV/TSVからの変換
  5. HTMLへの変換
  6. PostScriptへの変換
  7. Ghostscript

lionheadPDFへの変換

LaTeX文書を閲覧するためのビューアーであるXdviは、様々なパソコン上で無料で入手できます。が、やはりインターネット上で文書を公開したり、メールの添付書類やフロッピーディスクに入れて他の人に渡すような場合には、dviファイルをより広く使われている形式に変換するのが無難でしょう。幸いLaTeXには他形式へ変換するユーティリティが充実しています。

今日、そういった用途に最も広く使われているのは、Adobe社製のacrobatAcrobatでしょう。Acrobatで作成されるPDF(Portable Document Format)文書は汎用性の高いフォーマットで、PDF文書作成時に使用したアプリケーションやプラットフォームに関わりなく、あらゆる環境において同じレイアウトの出力を可能にします。ただ難点は、PDF文書を閲覧するためのビューアーは無料配布されているのですが、PDF文書を作成するための正規のAcrobatアプリケーションはたいへん高価であるということです。しかし、後述するGhostscriptなどを利用すれば、お金をかけずにLaTeX文書をPDF化することも可能です。また、UNIXやMac OS Xでは、サードパーティー製のフリーのDvi→PDF変換ユーテリティが幾つか出ているようです。




lionheadRTFへの変換

昨今は(まったく嘆かわしいことに)ワード文書がメールに添付されてそのまま配布されてくることもしばしです。一応LaTeX文書をワード形式に変換するソフトも幾つかありますが、直接DOC文書に変換するよりは、ワード以外の様々なワープロソフトで読み込める、より汎用性の高いRTF(Rich Text Format)形式に変換する方が良いでしょう。

マックではlatex2rtflatex2rtf(フリー)などが利用できます。一度RTFに変換すれば、そこからまた更に別の様々な形式に変換することも可能です。例えばHTML文書に変換するにはrtfToHTMLrtfToHTML(フリー)が使えます。




lionheadXLSからの変換

LaTeXのを書くためのソースコードは、そのままだとやはりWYSIWYGアプリに比べ視認性(見やすさ)の点で劣ります。LaTeXは表を専門に作成するためのプログラムではありませんから(表を含め様々なオブジェクトを印刷するためのプログラムです)、込み入った表の作成にはやはりスプレッドシート等で外部で作成したものをLaTeXにインポートするのが賢明でしょう。そのためのコンバーターが各種出回っています。

M$エクセルで作成した表をLaTeXソースコードに変換するにはExcel2LaTeXExcel2LaTeX(フリー)などを使います(Excel Tablesというアプリもありますが、これは私が試したところExcel2001では動きませんでした)。




lionheadCSV/TSVからの変換

CSV(Comma Separated Values)、TSV(Tab Separated Values)とは、表の各要素をコンマ(「,」)やタブで区切って書くファイル形式で、表計算ソフトやデータベースソフトがデータを保存する際に主に使われるものです。最近はエクセルや先述のワープロのように、表計算ソフトも独自の機能を沢山持つようになって、他ソフトと互換性のない独自の形式で保存することが多いですが、CSVやTSV形式なら大抵のスプレッドシートアプリで読み込めるし保存することも可能です。

TSV形式の表をLaTeXソースコードに変換するには、TeXTtoTABLE(フリー)が使えます(CSVの場合はコンマをエディタでタブに変換するか、csv2txtを使う)。



lionheadHTMLへの変換


LaTeX文書をHTML文書に変換するには、OzTtH(フリー)が利用できます。




lionheadPostScriptへの変換


PostScriptとは、グラフィックやテキストを、出力機器の機能や設定(例:解像度)に依存せずに、常に同じ見栄えのものを出力することを可能にするために開発されたプログラム言語です。PostScript対応プリンターであれば、何から印刷しても印刷物は同じ見栄えになります。

dviファイルを直接プリンターから印刷せずにPostScriptファイルへ変換し保存するには、先述したようにdvipskdvipskを使います。




lionheadGhostscript


Ghostscriptとは、Peter Deutsch氏によって開発された、PostScriptファイルを読んだり印刷するためのフリーウェアです。主にPostScriptイメージをコンピューター上で表示したり、PostScript非対応プリンターで印刷したりするのに使われます。

マックではmacgsMacGSView(フリー、旧称「MacGS」)などを使います(MacGhostViewというのもありますが、うちではイマイチ動きませんでした; 解説

Ghostscriptはそのままでは日本語に対応していませんので、Behrouz Homayoun氏の作成したGhostscript用日本語フォントkanji.tar.gzを入れる必要があります。 まず、MacGSViewをインストーラーを使って入れた後、kanji.tar.gzをダウンロードしてきて解凍します。次に、解凍してできたKanjiフォルダー内fontsフォルダーの中にある漢字フォントファイルを全てシステムフォルダー(System Folder):アプリケーションサポート(Application Support):Ghostscript:fontsフォルダーの中に入れます:

kanji

system

さらにKanjiフォルダー内libフォルダーの中にあるFontmap.kanjiファイルを、システムフォルダー(System Folder):アプリケーションサポート(Application Support):Ghostscript:libフォルダーの中に入れます:



Ghostscriptで使用されるフォントの情報は「Fontmap.GS」ファイルに書かれているのですが、新たに入れた日本語フォントを使うには「Fontmap.GS」でなく「Fontmap.kanji」の方をMacGSViewに参照させるようにしなければなりません。そのためには「Fontmap」(拡張子無しのやつ)ファイルを開き:

%!
% See Fontmap.GS for the syntax of real Fontmap files.
(Fontmap.GS) .runlibfile
%!
% See Fontmap.GS for the syntax of real Fontmap files.
% (Fontmap.GS) .runlibfile
(Fontmap.kanji) .runlibfile


というふうに書き換えます。さらに「Fontmap.kanji」を開いて

/Osaka /goth-RKSJ ;
/Osaka-Mono /goth-RKSJ ;
/Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H /min-RKSJ ;
/GothicBBB-Medium-83pv-RKSJ-H /goth-RKSJ ;
/HeiseiKakuGothic-W5 /goth-RKSJ ;
/HeiseiMincho-W3 /min-RKSJ ;


などと書き加え、使っているフォントに応じてフォントマップの記述を追加します(左に記述されたフォントが右に記述されたGhostscript用フォントに入れ替えられる)。 これで日本語化は完了です。

MacGSViewにはさらに、PostScriptファイルをPDFファイルに変換する機能もあります。



使い方は、そのまま「File」メニューから「Convert...」を選ぶだけです。

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