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本文

小目次
  1. 本文の書き方
  2. 空白についての補遺
  3. 行間の調整

lionhead本文の書き方

LaTeX文書の文書クラスとそのオプション、プリアンブルを設定したら、次は文書の本文を書きます。本文は、「¥begin{document}」でdocument環境の始まりを宣言し、「¥end{document}」で終わりを宣言した間に入れます。文書クラスの指定には「コマンド」を使いましたが、本文には「環境」を使います。

文章は普通に打っていって構いません。ただ改行は、LaTeXの方で用紙の幅に併せ適切なところで入れますので、ソースでのそれは反映されません。例えば:

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

改行は、
LaTeXの方で
自動的に行われます。

¥end{document}


とソースのテキストファイルで打っても、出力は:

改行は、LaTeXの方で自動的に行われます。


と改行を反映せずに一行で表示されてしまいます。強制的に改行を入れたい場合には、「¥¥」を挿入します

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

円マークを続けて ¥¥
入れると ¥¥
強制改行されます。¥¥

¥end{document}


とすれば、出力では:

円マークを続けて
入れると
強制改行されます。


ちゃんと改行されるようになります。つまり、ソース文書中では、自分に読みやすいように好きなところで改行しても良いということです。

複数行にわたる縦スペースを挿入したい場合には、改行コマンド「¥¥」を必要なだけ列記します。あるいは、改行コマンドのオプションを利用して長さを指定することもできます。一般形:「¥¥[数字ex]%」。例えば「¥¥[10ex]%」と打てば、10行分の空行が挿入されます。「ex」は前頁で述べたように、「現在有効な書体の文字xの高さ」を表す長さの単位です。マイナスの数値を指定すると、その分だけ直後に来る改行の幅を縮めます。また「 ¥vspace{長さ}」コマンドをかわりに使うことも出来ます。

半角スペースも、そのままでは幾つ入れても一つとして勘定されます

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

半角の空白1つ→ 、半角の空白5つ→     、半角の空白10こ→          。

¥end{document}
半角の空白1つ→ 、半角の空白5つ→ 、半角の空白10こ→ 。


「¥ 」(¥と半角スペース)を組み合わせれば、半角2つ以上の横スペースを文字間に強制的に入れることができます。例:「aaa ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ bbb」→「aaa            bbb」。あるいは「¥hspace{長さ}」で挿入する空白の数を一気に指定することもできます。例:「aaa ¥hspace{10em} bbb」→「aaa            bbb」。半角のチルダ「~」もまたスペースを表示するのに使えます。例:「~~~~~~~~~、」→「 、   、     」。

新しい段落を始める時には、空行を一つ(/改行を二回)入れます:

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには。

空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。

¥end{document}
     段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには、段落わけには。
     空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。空行を入れます。


空行の数自体は、幾つ入れても同じように即新段落を開始します。段落の先頭には常にインデント(字下げ)が挿入されます。インデントを行わせないようにするには、段落の先頭に「¥noindent」を挿入します:

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

¥noindent この段落にはインデントは適用されません。段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落。

この段落は普通に字下げされます。段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落。

¥end{document}
この段落にはインデントは適用されません。段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落。
     この段落は普通に字下げされます。段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落段落。

ソース文書においてのみ表示され、印刷される出力画面には表示させたくない「コメント」を挿入する場合には、その文の先頭に「%」を付けます。%以降、改行が入るまでの部分がコメントアウトされます。

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。

% これは表示されません。これは表示されません。これは表示されません。これは表示されません。これは表示されません。これは表示されません。

%%%%% これも表示されません。これも表示されません。これも表示されません。これも表示されません。これも表示されません。これも表示されません。

¥end{document}
これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。これは表示されます。


%」の数は、1つでもそれ以上でも同じです。

強制的に改頁ページをする(新しいページを始める)には、「¥break」コマンドを使います。これを挿入すれば、後に続く文章は新しいページの一行目から表示されていきます。




lionhead空白についての補遺

上で空白を挿入するためのコマンド「¥hspace」「¥vspace」について述べましたが、「¥hspace」を行の先頭/左端で用いたり(つまりその前に何も文字が無い場合)、「¥vspace」をページの先頭で用いると(つまりそのページで最初に書かれているのが¥vspaceコマンドの場合)、空白は表示されません。そのような場合に空白を表示したい時には、「¥hspace*」「¥vspace*」を用います。

空白コマンドにはまた、「¥hfill」「¥vfill」という幅の絶対値を指定しない、いつでも最大幅の空白を入れるものがあります。例えば「単語A ¥hfill 単語B」と打つと、単語Aをページの左端に、単語Bを右端に置き、その間を空白で埋めます:

¥documentclass[12pt]{jarticle}
¥begin{document}

単語A ¥hfill 単語B ¥¥
単語A ¥hfill 単語B ¥hfill 単語C ¥¥
単語A ¥hfill 単語B ¥hfill 単語C ¥hfill 単語D

¥end{document}


¥hfill」「¥vfill」を複数使用した場合は、残りの空間をそれぞれ均等のサイズのスペースで埋めます。




lionhead行間の調整

行間をダブルスペースなどに変える方法は幾つかありますが、「setspace.sty」や「doublespace.sty」などのパッケージを使うのが一番手っ取り早いでしょう。パッケージについては後に応用編で述べますが、とりあえずこれらパッケージを使うには「¥usepackage{setspace.sty}」あるいは「¥usepackage{doublespace}」とプリアンブルに書きます(パッケージが既にインストールされていない場合にはCTAN.ORG等からフリーで入手できます)。

doublespace.sty」の場合、これを呼び出すだけで本文が全てダブルスペースになります。引用など、部分的にシングルスペースにしたい場合には。singlespace環境を使います:

¥documentclass[12pt]{jarticle}

¥usepackage{doublespace}

¥begin{document}

ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。ここはダブルスペース。

¥begin{singlespace}
ここに挿入された文章はシングルスペースになる。ここに挿入された文章はシングルスペースになる。ここに挿入された文章はシングルスペースになる。ここに挿入された文章はシングルスペースになる。ここに挿入された文章はシングルスペースになる。
¥end{singlespace}

ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。ここもダブルスペース。

¥end{document}


setspace.sty」では、さらに細かな行間の設定が出来ます。「¥singlespacing」「¥onehalfspacing」「¥doublespacing」をプリアンブルに書くと、それぞれシングルスペース、1.5スペース、ダブルスペースを本文全体に適用します(デフォルトはシングルスペース)。行間の長さを自ら絶対値で指定したい場合には「¥setstretch{長さ}」コマンドが使えます。本文の一部分での行間の変更には、同名の「singlespace」「onehalfspace」「doublespace」環境を使います。絶対値を指定する場合は「spacing」環境で、「¥begin{spacing}{数値}…¥end{spacing}」といった感じに表記します。

行間自体は、何も新たにパッケージを使わずとも「¥baselinestretch」をプリアンブルで変えることで変更できるのですが、これで直接全体に適用してしまうと本文だけでなく脚注や表の中にまで適用されてしまうので、そういった箇所での適用を防ぐための設定を細かに施してある「doublespace.sty」パッケージ等を使うのが便利なわけです。

とは言え、一応「¥baselinestretch」コマンドの使い方も説明しておきます。「¥baselinestretch」は、連続する2行の底の間のスペースの最小値、端的に言えば改行の幅を拡大したり縮小したりするものです。改行の幅の絶対値を指定する場合は「¥baselineskip」コマンドを使います。改行幅の絶対値は通常フォントサイズなどを変更すれば一緒に変わります。何故かというと、例えば12ポイントのフォントで書かれた行の行間隔をそのまま24ポイントのフォントで書かれた行にも適用すれば、行が近すぎて一部重なってしまうからです。そのため「¥baselineskip」はフォントのサイズを変更するたびにデフォルト値にクリアされてしまいます。一方、「¥baselinestretch」は相対的に改行の幅を倍数で延ばしたり縮めたりするだけですから、フォントのサイズが変更されても変わりませんので、普通はこちらを使います。¥baselinestretchコマンドは¥renewcommandと共に使います(¥renewcommand自体の説明については後述):

¥documentclass[12pt]{jarticle}

¥renewcommand{¥baselinestretch}{2.0}

¥begin{document}

¥end{document}


¥renewcommand{¥baselinestretch}{引数}」の形式で書き、{引数}に行間をどれだけ延ばすか/縮めるかの倍数を書きます。例えば上のように「2」と記入すれば2倍になり、一応ダブルスペースということになります。標準値は1なので、小数値を設定すれば行間は狭まります。なお「¥baselineskip」の場合は「¥setlength」と共に使います。例:「¥setlength{¥baselineskip}{5mm}」(引数には倍数でなく長さの絶対値と単位が入ります)。  



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