船戸与一(ふなどよいち)。本名は原田建司。冒険小説家。1944年、山口県下関に生まれる。早稲田大学法学部卒。在学中は探検部に所属。出版社勤務を経てフリーになり、執筆活動を始める。1979年『非合法員』(講談社)で冒険小説家としてデビュー。主な著作に『山猫の夏』(吉川英治文学新人賞)『伝説なき地』(日本推理作家協会賞)『砂のクロニクル』(山本周五郎賞受賞)、『虹の谷の五月』(直木賞)がある。また豊浦志郎の筆名で『叛アメリカ史』等のルポタージュ、外浦五郎の筆名でゴルゴ13等の劇画原作も著している。
船戸作品にまだ触れたこのとのない諸氏にサンプルを2つ紹介しましょう。まずは最初期の作品の1つ、『叛アメリカ史:隔離区からの風の証言』からの抜粋です。逢坂剛が書いているように、「船戸の小説を理解するためには、読者は文庫の解説や評論家の書評など読まなくても良いから、何はともあれ」読むべき最重要文献です。これを読んだ後で、なお船戸の小説がわからないと言う読者がいれば、それは「そもそも船戸の読者ではない」と言って過言ではないでしょう。次にあげるのは船戸のエンタテイメント作家としてのデビュー作、『非合法員』の単行本版へ寄せられた内藤陳日本冒険小説協会会長によるあとがきです(38k)。まぁとにかく読んでみてください。
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