「あんたは自分が何を言っているのかわかっているのか? 荒っぽいことができる性格じゃない? 闘争に参加していた人間に向かって何という台詞だ! あんたは自分の兄貴を侮辱してるんだぞ」吹石隆はそれにも反応しなかった。「たとえ、あんたが子供のころから知っいる兄貴がおとなしい性格だったとしても」鷲沢剛介の声がふたたび柔らかくなった「政治は人間を変える。闘争は男を変える。吹石徹は卓越した軍事担当者になりつつあった」
『群狼の島』
「ついていくよ、どこまでも。教えて欲しい、いろんなことを。ぼくはもう殺さなきゃならない奴は殺すことにする。そういうことに遠慮はしない。ためらいもしない。これからはんなと一緒に暮らすんだから」
『緑の底の底』
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